個性的な外観を持ち快適な暮らしを送れる家5選

TSC ARCHITECTSが手がけたのは、屋根に折り込まれたような形をした家「ORIGAMI」。こちらの家は屋根が壁を覆い、地面まで伸びています。そのため、家は亀のように甲羅に覆われたような形となっています。このような大屋根は、ただ個性的な印象を与えるわけではありません。夏には屋根が生み出す大きな庇が強い直射日光を遮ることになります。また冬には大屋根が強い季節風から住空間を守ることになるのです。そのため、本住宅では大屋根が自然環境からの影響を和らげ、心地良い暮らしを可能にしてくれるのです。

大角雄三設計室が手がけたのは自然を身近に感じられる「大山の家」。大山の麓近くの木々の緑が美しい自然豊かな環境に家は建てられています。黒色に塗られた木材がシックな印象を与えますが、一見すると普通の家に見えるかもしれません。ですが、夜には別の表情を見せます。その別の表情とは暗闇に浮かぶ光の帯。実はこちらの家は木の外壁にスリットが取り入れられ、そこにガラスがはめ込まれています。そのため夜になるとガラスから光が漏れ出して、美しい印象を与えるのです。また日中ではガラス越しに外の光を取り込むことができるため、明るい空間となります。そして同時に外の風景を取り込み、自然を身近に感じることができるのです。

松本匡弘建築設計事務所が手がけたのは浮遊感を感じさせる「葉山の家」。こちらの家は2階建てですが、1階部分には小さな建物があるだけで、それ以外は柱となり2階を支える構造となっています。そのため、柱に支えられて宙に浮かんでいるように見えるでしょう。このような個性的な構造となっているのは解放感を得られるようにするため。2階部分は口の字になっており、中庭を取り囲むような形になっています。そのため、外からの視線を気にすることなく、中庭部分からの光や風を取り込むことができます。また1階部分は開放的な庭となり、近所の人との交流の場として考えられています。このように、本住宅は住宅地にありながらも、家の外部との繋がりを持てるように考えられているのです。

建築事務所ARC-Dが手がけたのは「岩宿の家」です。こちらの家で最大の特徴となるのは、大きな屋根とそこに設けられた開口部。屋根は建物の2階部分を覆っていますが、窓部分に開口部が設けられています。開口部は2階から1階部分を貫く形となっているため、1階に光を取り込むトップライトの役割も果たします。何より素晴らしいのは、そんな大屋根の下に生み出された土間空間。そこは大きな屋根に守られつつも明るく開放的な場所となっています。また縁側が隣接しているため、気軽に家への出入りができるご近所さんとの交流の場にもなるでしょう。このような本住宅は個性的な外観にも関わらず、快適に過ごせる素敵な空間を生み出しているのです。

studio PHENOMENONが手がけたのは、不思議な印象を与える「MoyaMoya」。こちらの家は一見するとシンプルな形をした建物に見えるかもしれません。ですが、建物を覆うような幕が光を反射し、中の建物がくっきり見えないようしています。そのため、建物の姿をしっかり捉えるのは簡単ではないでしょう。このような印象を生み出すのはステンレスメッシュ。それが作り出す構造の中に建物がすっぽり入っているため、家の姿をつかみ取りにくくさせているのです。この特殊な構造は家の印象を個性的にするだけでなく、外からの視線を跳ね返すことにもなります。そのため、本住宅では住宅地であってもプライバシーを守り、快適な暮らしを送ることができるのです。