家に住む場合、家族と一緒に住むことが多いでしょう。そんな住まいで家族の繋がりを感じられないとしたら、家の役割をしっかりと果たしているとは言えないかもしれません。そこは家族が毎日家族が顔を合わせて、その繋がりを感じられる場所であるべきでしょう。そこで紹介したいのは小野育代建築設計事務所が手がけた「ウチニワの家」。こちらの住まいでは気軽に家族が顔を合わせられるような気持ちの良い空間が実現されています。
今回建てられたのは木造2階建ての住宅。それはシンプルなフォルムの建物となっています。シンプルさを強調するのは明るい色の外壁。またシンプルさだけでなく木の暖かみも感じることができるでしょう。1階の外壁の一部には木の板が取り付けられており、自然素材特有の暖かさを感じることができます。そのため本住宅からはナチュラルでシンプルな印象を強く感じることができるのです。
家の中に広がるのは外観のイメージを裏切らない空間です。こうした印象を生み出すのは木の床や天井、そして柱。それだけでなく作り付けの家具なども、床や天井などと同様に木で作られています。家の大部分を覆い尽くすのは明るい茶色。そのため建物に入ると木の存在感を強く感じることができるでしょう。そして木が持つナチュラルで暖かな素材感を存分に楽しむことができるに違いありません。
こうした家で大きな特徴となっているのはキッチンにある土間です。土間とは家の中に作られた地面と同じ高さの空間。それは日本の伝統的な家屋に作られるもので屋外に接する屋内場所に設けられます。今では土間空間はあまり見られなくなりましたが、本住宅ではそれをキッチンに設けています。そんな土間キッチンが感じさせるのは強い個性。土間と床の段差ができることで空間が単調になることを防ぎ、他の家にはない印象的なキッチンになっているのです。
土間キッチンが感じさせるのは個性だけではありません。そこにあるのは高い天井。土間キッチンは吹き抜けとなっており、2階のスペースと繋がっています。土間によって一段低くなった場所に、吹き抜けが加わり、高さのある空間が生まれるのです。そんな空間は広がりを作り、開放感を感じさせてくれるでしょう。そして家族の集まる場所であるキッチンを、気軽に集まれる居心地の良い空間にするのです。
こうした家で忘れていけないのは空間の繋がり。土間キッチンに立てば、1階だけでなく2階の様子も見渡すことができます。そのため1階と2階とが床や天井で隔てられるのを防ぐのです。違う階に家族がいても、吹き抜けでは、お互いの顔を見ることができます。たとえ家族の姿が見えなくても、吹き抜けから届く物音などで気配を感じることができるでしょう。こうして空間の繋がりが家族の繋がりを生み出すのです。本住宅にあるのは心地良いキッチン。それは同時に家族の繋がりを感じさせ、家族の住まいに相応しい家となっているのです。
Photo by Ippei Shinzawa
【土間については、こちらの記事でも紹介しています】
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