ミッドセンチュリーテイストの中古住宅リノベーション

K.Matsunaga K.Matsunaga
Uwano House, 株式会社シーンデザイン建築設計事務所 株式会社シーンデザイン建築設計事務所 Salas de estilo ecléctico
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新築を持つ、といえば長年、住宅取得の憧れや夢でもあり、人生でいちばん大きな買い物、とも言われてきました。家といえば新築が良しとされてきましたが、世界を見ると必ずしもそうではありません。その背景には、日本では耐震に対する基準法の改正や品質の向上などの基準が時代によって変わっているためでもあります。欧米などでは、その反対に家は古いほど新築よりも価値があり、もとの建物を手をかけながら育て、受け継ぐ文化があります。躯体を生かしながら建物の能力を高め、思い入れをさらに高めることができるリノベーションは、日本においてもこれからさらに需要が高まることでしょう。今回ご紹介するのは、株式会社シーンデザイン建築設計事務所が手がけた中古住宅リノベーションです。幼少期に過ごした思い出の家に新たな命を吹き込み、住宅の新たな可能性を感じる家が完成しました。

現在は使われることなく、倉庫のような状態だった家

もともとは新築の予定で住まいを計画されていました。住まい手が幼少期に過ごしていた家は、現在倉庫のような状態で、ほぼ使われずに眠っていたそうです。作り手は住まい手の思いを聞いていくうちに、その建物をリノベーションするという方法を提案することになります。そして手がけた外観は、駐車スペースのあるピロティ、直線が生かされた箱型のモダンでアイボリーカラーがどこかやわらかな現代風の外観へと生まれ変わりました。

ミッドセンチュリーテイストのリビング

室内は、落ち着いた木の色合いが心地よさを感じる内装です。艶のある床材、天井をはじめポイントとなる場所にあしらわれた板張りや木材はこの家の魅力を引き出すスパイスに。角をとり、丸みのある四角形にくりぬかれたTVスペースは、レトロでモダンな雰囲気をこの空間に加えています。家具やディテール、素材の質感によりミッドセンチュリーテイストのデザインリビングとして遊び心を感じます。

ダイニングとリビングの絶妙な関係性

全体的につながった空間により、とても広々と感じるLDK。リビングとダイニングは造作家具によって空間を分け、全体は繋がりながらもそれぞれが独立したような感覚を持っています。中古住宅リノベーションは、多くの場合新築よりも既存の間取りによる制限が多く、思うような空間が実現しないのではというイメージを持たれることもあるかもしれません。しかし、新築にはない工夫の仕方や魅力を引き出すアイデアによって、ユニークで豊かな空間を生み出すこともリノベーションの面白さのひとつでもあります。

天窓のある階段ホール

大きな天窓がある階段ホールは、間接光を室内に招き入れ、季節や天候に左右されることなく穏やかな光をもたらします。家の中で暗くなりがちな場所に最適な天窓は、ほっとする独特な空気をこの家に生み出す絶妙なポイントになるでしょう。壁面の窓よりも天窓は採光効果が3倍の効果を持っています。空間の印象をがらりと変える天窓は、上手に家へ取り入れると素晴らしい効果を生み出し、家の中の景色がまるで変わって感じるようになります。

持ち味を生かすことのできる中古住宅リノベーション

リノベーションは、もともとの住宅や建物を生かすため、計画には常に構造躯体やスペースにどうしてもできる、できないといった制限があります。そして、もともとにあったものを残すか、残さないかという選択の連続でもあります。解体時も、豆腐のようにスパッと空間を分けられるものでもありません。その分悩みも多く、困難も伴いますが、どうやって生かそうかという発想によりユニークで独創的な空間が生まれる無限の可能性も秘めています。素材や、凹凸を生かした空間の使い方は、ときに予想もしなかった面白さが生まれるきっかけにもなるでしょう。リノベーションは、住空間を豊かにするための可能性を秘めた夢のある手法です。

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