厳しい立地条件においても豊かな空間をもつ家を計画することは可能なんです。今回紹介するのはバイパスが近く交通量が気になる敷地に建つ土間空間のある住宅です。橋本設計室のクリエイティブなアイデアによってプライバシーを確保しつつ明るく開放的な家が実現しました。では詳しく見ていきましょう。
北側の道路に面した玄関です。開口は最小限としプライバシーを確保しています。耐久性に優れたガルバリウム鋼板のファサードが周辺環境ににクールでモダンな印象を与えると同時に、シンプルな形態が構造的な安定感をもたらしています。
南側はプライベートな庭を配置し可能な限り開口を設けて最大限に採光を取り入れています。縁側風のテラスが庭の利用頻度を高めてくれますね。庇のあるバルコニーは雨の心配をせずに洗濯物を干したり、日除けにも効果的です。
玄関を開けてみましょう。この家の特徴とも言える土間が南側に向ってまっすぐに延びています。いきなり目の前に広がる土間空間はなかなか予想できないでしょう。住環境を向上させる建築的装置は開けてびっくり的な機能も兼ね備えています。
中に入ってみましょう。明るい白木の造作家具や珪藻土の壁面が清潔感のある親しみやすい雰囲気を出していますね。17坪の建坪とは思えないくらい開放的な内部空間が南北を貫く土間によって実現しました。
北側道路に面した部分はキッチンです。高窓によって採光と換気が確保されています。立ち壁で柔らかくキッチンを仕切り、ミニマルで生活感のないダイニングエリアはそのままリビングへと続き一体型のLDKを構成しています。またナチュラルな木目の構造体や板張り天井が空間のアクセントとなっています。
ダイニングからリビングを見たところです。南側の庭に面して設けた大きな開口からたくさんの日が入り、また開閉自在な開口を土間との間に設けることで空間の設定に多様性を持たせています。
リビングが延長して庭のテラスと一体化する気持ちの良い家族団らんの場です。天井の木板に埋め込んだダウンライトが柔らかい光を作り出し、シンプルでナチュラルな室内空間ですね。
階段を上がって2階へ。個室へ入る前に前室のような多目的コーナーを配置しています。ガラスで仕切った建具によって空間に連続性をもたらしています。ゆとりある廊下に確保したこのような共有スペースは空間の有効利用や家族同士のコミュニケーションに一役買ってくれそうですね。
2階の居室です。奥はウォークインクロゼットでしょうか。機能的な収納法を見つけることは居室を最大限に有効利用するアイデアの一つと言えるでしょう。ダークな色で塗装した壁の一面が部屋を引き締めてくれますね。
屋根の勾配が天井に表れています。天窓からも採光を取り入れた子ども部屋でしょうか。白塗装を施した床は全体を明るく演出し、また 天井の勾配が空間に変化を与え、 空間の狭さを感じさせません。
居室を繋げるバルコニーです。シンプルですが機能性に富んだ外空間ですね。また各居室にも広がりをもたらし、快適な住環境を実現しています。外壁のガルバリウム鋼板とは対照的に軒裏の杉板がナチュラルな雰囲気を出しています。
玄関から延びる土間が南側庭まで延長し、内外の一体感を生み出すとともに外構のアクセントとなっています。和室に面して設置された小さめのテラスは微妙に高さが異なり縁台のような機能を果たしてくれます。一見単純なモダンな佇まいですがそんな中にも ヒューマンスケールに沿った空間づくりがされた住宅です。
【土間については、こちらの記事でも紹介しています】
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