吹き抜けのメリット、デメリット

林 直樹 林 直樹
吹き抜けが家族を繋ぐ, スタジオ・ベルナ スタジオ・ベルナ Salas modernas
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「吹き抜け」は近年、戸建住宅にとどまらず集合住宅でも取り入れられるようになってきました。それは空間を贅沢に使い、部屋に開放感を与えてくれる人気のある空間デザインの手法です。特にリビングルームにそれを作ることによって、家族が集う場所にゆとりが生まれます。一般的な空間手法でも天井が高いというだけで同じ床面積の部屋でも大きく感じることができますので、理にかなったデザイン手法とも考えられています。しかし一方で光熱費などの心配をされる方もいらっしゃると思います。そこでこの記事では、吹き抜け空間のメリット・デメリットをご紹介します。ぜひ住宅設計の参考にしてみてください。

メリット1: 開放感を感じる空間になる

吹き抜けの最大のメリットは、その開放感といえるでしょう。空間心理としても同じ床面積であれば天井が高い方がより広く感じると言われていますし、目線の広がりがあるので、より空間にゆとりをもたらしてくれます。たとえばこのようなリビング・ダイニングの空間であれば、写真のように階段が設置される壁を吹き抜けの大きな壁として使うことで、縦方向の広がりを強調してくれます。このような空間の階段は、その高さを強調する効果があると考えられます。また吹き抜けの途中に梁を見せるのも、よく用いられる手法で、より広さを強調する効果があると言われています。写真は株式会社北村建築工房のnookモリノイエ。

メリット2: 自然に換気ができる。

吹き抜けは空間と空間を上下でつなぐ空間です。これは一般的な各階のデザインを積み重ねた積層型の住宅では叶わない上下の空気の移動を生みます。学生の頃に習ったと思いますが、暖かい空気は上に、冷たい空気は下に流れていきます。その効果を利用した自然な換気が可能です。空間の上部に空気の逃げ道を、下の方では空気の取り込み窓をつくることで、重量換気が可能になり、吹き抜けの空間につながる空間が自然に換気されることとなります。これは、平面ごとに区分けした建築デザインではなかなか叶わないことです。

メリット3: 光を部屋の奥まで取り込むことができる。

吹き抜けの上部に窓を設置することで、下の方まで光が入ってきます。直射日光でなくても空間内を明るい色の壁で仕上げることで光が反射し、緩やかな光が下の空間まで周ってきます。これにより、一般的に下層部分は光を取り込みにくいと言われていますが、こうした空間では光を取り込むことができますので、明るく過ごすことができます。季節によっては、電気代を節約することにもつながるかもしれません。段差を活かしたデザインはこちらが参考になるかもしれません。

メリット4: 上下の空間がつながり、家族の気配を感じられる

開放感についで、吹き抜けを取り込む大きな理由としては、上下の空間がつながることではないでしょうか。空間が分断されませんので、家族感のコミュニケーションの場所にもなりますし、何よりも気配を感じることができるでしょう。たとえは1階で料理をしながら、2階にいる家族の気配を感じることができますし、何よりも食事の時間とかに大きな声を出さなくても声が届いたり、呼びに行ったり巣る必要も無くなります。こういった緩やかな家族の繋がりは心理的な安心にもつながります。

デメリット: 吹き抜けのメンテナンスと空調効率の悪さ

吹き抜けのデメリットといえば、冬場の電気代が挙げられます。空間のサイズが大きくなることで、必然できに暖房効率は下がってしまいます。また、天井が高くなることで、上層部分の掃除やメンテナンスに手間がかかることもデメリットのひとつと言われてます。ですので、初めからメンテナンスができるような工夫が必要になります。しかし何事にもメリットだけということはありませんので、建築家の方と相談して、効率よく住める住宅を目指したいですね。

吹き抜けのメリット、デメリットまとめ

吹き抜けには様々なメリットがあることはご紹介した通りです。このことからも、根強く人気がある空間デザイン手法であることは納得いただけたかと思います。確かに広々としたリビングルームで、家族団欒の時間であったり、食事をしたりすることには憧れますよね。光を取り込むこともできますし、自然な換気も可能です。もちろんデメリットもご紹介しましたが、建築家の方と話し合うことで様々な解決方法を見つけることができるはずです。ぜひ興味のある方はこの記事を参考にしてもらいって、素敵な住宅デザインにトライしてみてください。他の空間演出に関しては、こちらを参考にしてみてください。

【吹き抜けについては、こちらの記事でも紹介しています】

※ 吹き抜けを取り入れる前に知っておきたい6つのポイント


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