2022年のインテリア流行は? Withコロナ時代の新しいライフスタイルを考える

A.Imamura A.Imamura
GODO 神戸町の平屋, 武藤圭太郎建築設計事務所 武藤圭太郎建築設計事務所 Casas modernas
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新型コロナウイルス感染拡大で在宅時間が増えた2021年。Withコロナ時代の新しいライフスタイルや現在も続く不確実性は、2022年の流行インテリアにも影響を与えると予測されています。主に、生活者の「健康」「快適」「保護」「幸福」「環境」といった価値に焦点を当てたインテリアトレンドがからは、軸となる4つの方向性がが挙げられます。


  1. フレキシビリティ ー 在宅勤務やおうち学習のための空間を確保しやすく
  2. サスティナビリティ ー 家計にストレスを与えない暮らし方
  3. ニューミニマリスト- 掃除や家事などのストレスを減らし効率を上げる、家計の考慮
  4. 自然と共存 - 外出が自由に出来ないストレスを軽減する


今回は、この四つの方向性から、2022年の流行インテリアを紹介していきます。また、2022年の住まいトレンドと一緒に流行トレンドカラーも一緒に紹介していきます。

是非、快適な住まいづくりの参考にしてみてください!

2022年のインテリア流行は、フレキシビリティ

2021年は、必要に応じて在宅勤務やおうち学習のための空間を確保し、家族それぞれが自分の居場所を確保して仕事や学習に集中し易い環境を住まいに作る必要性がありました。そのことから、2021年から続き、2022年のインテリア流行は、住まいにフレキシビリティをもたせるインテリアが注目されています。


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可動式本棚で大きなワンルームを自由に区切る

2022年のインテリア流行では、可動式家具に注目が集まっています。こちらの住まいは、約50㎡のマンションで、元々は4部屋に区切られていました。リノベーションによって、間仕切り壁を全て取り払ったワンルームとしました。キッチン、ダイニング、ベッド、書斎がすべてワンルームの中に存在しており、要所にシナベニヤでできたローウォールを配置して柔らかく仕切ります。必要に応じて家具を移動できるので、ベッドで寝ながら本を読む、ダイニングテーブルで仕事をするなど、これまで限定して使われていたものを、よりフレキシブルにすることで、家族が自分の居場所を選びながら自由に生活する、という新しいライフスタイルに対応しています。


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2022年のインテリア流行は、在宅での仕事をし易くする工夫

2022年のインテリア流行の中には、やはり在宅での仕事をし易くする工夫やアイテムがみられます。例えば、こちらはオフィスでありながらカフェのような少し肩の力が抜けた空間。大きな空間に配置した作業スペースと打合せスペースにハッキリとした間仕切りは 作らず、植物のカーテンで緩やかにゾーニングを行います。


【住まいについては、こちらの記事でも紹介しています】

 和モダンな家20選

ハンギングプランターで、ゾーニング&ストレス軽減に

観葉植物は、インテリアグリーンとも言われ、オシャレでリラックスできるお部屋作りには欠かせないアイテムとして、2022年のインテリア流行でも注目は継続します。天井にフックをつけて鉢を吊り下げるのは簡単です。軽めのプランターに、麻ひもなど丈夫な紐をしっかりとくくりハンギングプランターをカーテンのように並べてみましょう。ゆるやかなゾーニングが出来るだけでなく、仕事の中の癒しとしても活躍してくれます。

2022年のインテリア流行は、家族との過ごし方がポイントに

在宅勤務によって通勤時間がなくなり、家族と過ごす時間が多くなった2021年。Withコロナ時代の新しいライフスタイルは、2022年のインテリア流行に「家族と過ごす時間」を快適にする間取りやインテリアが注目され、新しいキッチンとダイニングのデザインが求められています。

目が行き届く距離感を保ちやすいキッチン

例えば、こちらの様なアイランドキッチン。アイランドキッチンとダイニングを家の中心としたアレンジは、帰宅から就寝までのほぼ大半を家族で過ごす空間になります。子供がダイニングで宿題をしたり、調理の側で遊んでいたり、子供達の様子に目が行き届く距離感を保ちつつ、ゆとりをもって調理や片付けをできる位置、サイズ、動線が考えられています。どんな時間も家族と居心地よく楽しんで過ごしたい、そんな気持ちが新しいキッチンデザインを生みます。


みんなで調理がし易いキッチンデザイン

これまでキッチンデザインは、女性1人が調理場に立つといったイメージがありました。在宅勤務の長期化では、家事と仕事を両立する女性達に多くのストレスを生んでいるという調査結果が出ています。

持続可能な開発目標(SDGs)でもジェンダーの平等が掲げられており、2022年のインテリア流行では、Withコロナ時代の新しいライフスタイルでは、家族みんなが一緒に調理や片付けが出来るキッチンデザインが注目です。

パントリーの必要性が高まる

外出自粛期間や、また災害時に備えて、多くの食料品を備蓄しておく必要性が増えました。2022年のインテリア流行では、キッチンを中心に多くのデザインが見直されています。例えば、その一つにパントリーの必要性があります。多くの保存食品をしっかりと閉って置けるスッキリとしたパントリーは、買い物や備蓄のストレスを軽減し、いざという時に備え安心感をもたらします。

暮らしの中で自然と共存が生まれる家

自由に外出が出来ないストレスを軽減するために、暮らしの中に自然や景観を取り入れた住まいが求められています。こちらの住まいは、台形型が大きく庭に開き、間口一杯の引き込み窓を開くと、居住空間と屋外が一体になる開放的なリビング。屋内で過ごしていても大開口部に現れる鮮やかな風景が緑の美しさを暮らしの中にもたらしてくれます。

まるで庭の様な室内

こちらは、角度をつけることによって南側の開口部を大きく確保し、どの時間帯でも柔らかい光のグラデーションが美しく居住空間を照らす住まい。室内は、まるで小さな庭を訪れたような佇まいです。質感のあるモルタル床に沿って植物が植えられており、生活の中で植物の息遣いを身近に感じることが出来ます。2021年に続き、このようなボタニカルインテリアは、2022年のインテリア流行でも定番です。

クレジット: 小川重雄

ニューミニマルな暮らし方

サブスクリプションサービスなど、若い世代を中心に「モノを所有しない生き方」が注目を集めています。それに続いて「ニューミニマリスト」という言葉を聞いたことがある人は多いはずです。ニューミニマリストは、モノを持たなければ節約になるのではないか、というのが考えがスタート地点にあります。

「所有しない」ことで、自分のライフスタイルを自分でカスタマイズ

モノが多ければ、大きな収納が必要になります。大きな収納には、大きな部屋が必要になります。大きな部屋を借りるには、多くのお金が必要になります。この循環をニューミニマリストたちは、「持たない」ことで新しく変えます。例えば、家具や家電のサブスクリプションサービスを利用し、「所有しない」ことで、自分のライフスタイルを自由に自分でカスタマイズします。2022年のインテリア流行も、多くはこのサブスクリプションサービスの利用が主流になってきています。

小さく暮らして豊かに ー スモールハウスの需要が高まる

2021年は、人の多い都心部を離れて郊外や田舎に引越す人が増えました。また都心部をひと時離れるために、スモールハウスやボートハウスなどが注目を集めています。Withコロナ時代の新しいライフスタイルでは、すでにイギリスやオランダなどでは若者を中心に人気を高めている移動可能なスモールハウス、ボートハウス、またコンテナハウスなど、平屋建築に続いて初期費用を抑え気軽に自分の家を持つことが出来る住まいデザインの需要が高まっています。

クリエイティビティを維持できる家

多くのアクティビティが制限された2021年、そのため自宅でDIYやアートクラフトなどを行う人々が増えました。自宅に趣味のスペースをつくったり、ガレージを利用したり、シアタールームやジムスペースをつくったりなど、自宅で多くのことを楽しんでいます。こちらは、一階に陶芸スペースのある住まい。無機質な鉄骨の天井やモルタル床が、よりDIYの意欲を高めてくれます。

クレジット: 撮影 笹の倉舎/笹倉洋平

セルフケアができる、落ち着きを感じるインテリア

セルフケアが求められる中、落ち着きを感じるインテリアは、2022年のインテリア流行でも重要です。例えば、木のぬくもりや、古い建物が持っている懐かしさや温もりを活かしたインテリアには、新しく作ることが出来ない価値があります。こちらの住まいは、古い構造材を顕わとし天井梁を見せることで、古びた味わいと新しさのある素材とが混じり合った独特な空間をつくります。玄関を入ってすぐに目に入る施主の蔵書がよりあたたかい雰囲気を加えています。

HEMSを導入し省エネや見守りを

コロナ禍の影響で人々の生活が大きく様変わりし、住宅に求められる機能が多様化する中で、スマートハウスにも注目が集まっています。例えば、「HEMS」(ヘムス)を導入し省エネに配慮するといったことや、高齢化社会に対応し、HEMSのセンサーによる健康管理で高齢者の見守りに使うといった提案も行われています。

2022年のトレンドカラーは? 心身の健康を象徴するパステルジェイド

さて、これまでは住まいトレンドを紹介してきましたが、ここからは2022年のインテリアトレンドカラーを紹介していきます。


一般的な日本住宅の壁紙は白が選ばれることが多いですが、セルフケアや落ち着きがキーワードの2022年のトレンドカラーでは、画一的な白い壁紙から、淡いライトグレーやパステルジェイドなど、自然や緑を感じさせる癒しや心身の健康を象徴するカラーがアクセントに取り入れられます。

木材の統一感が優しい空間に、パステルジェイドの柔らかい緑をアクセントに加えて。爽やかさや明るさがアップ。

落ち着きの中にもアクティブさを感じるブルーアクセント

清潔感やテクノロジーを感じさせるアークティックブルーは、鮮やかなアクセントとして空間に取り入れやすい色です。さらに2022年のトレンドカラーでは、北極の青を思わせる涼しげなアークティックブルーや落ち着きの中にもアクティブさを感じるペールブルーが選ばれます。

アークティックブルーやペールブルーは、質感にこだわると、どこか懐かしさを感じさせる木造建築とも相性が良い色です。ノスタルジックな雰囲気でまとめても素敵ですね。

信頼性を象徴するダークオーク

経年変化した木材や安定性、信頼性を象徴するダークオークは、トレンドカラーとして人気を継続しています。不安定な状況が続く時は、このような落ち着きや信頼感のある色が人々に共感を呼びます。ダークオークはどっしりとしたこげ茶色でノスタルジックさや懐かしさ、保護を思わせます。

太陽を象徴する緋色をアクセントに

茜の根で染めたものを緋色とよびます。古来より赤色の染料として用いられ、赤(あか)と緋(あけ)は同じ意味で、太陽や火の色を表します。火、伝統、祝祭、温かみなどを象徴します。上記で紹介したトレンドカラーの一つパステルジェイドと補色関係にあり、組み合わせてコーディネートすると新鮮さを空間に加えることが出来ます。

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